情報地質学研究室 @ 岡山大学理学部

地球統計学と鉱物結晶学

2021-01-01から1年間の記事一覧

結晶構造因子

物体を構成する各原子から散乱されたX線を位相を考えながら重ね合わせたもの $E$ を物体による回折X線と呼び, $$ \eqalign {E & = \int\rho(\boldsymbol{r})\exp\{2\pi i(\nu t+\delta(\boldsymbol{r}))\}dv \cr & = \int\rho(\boldsymbol{r})\exp\{2\pi i\…

伝播する誤差を近似的に求める

ある長方形の面積を求めるために縦の長さ $x$ と横の長さ $y$ を複数回測定し,それぞれの平均値 $x,y$ と標準偏差 $e_x,e_y$ を得た。この値から面積 $s$ を求めた時,その標準偏差 $e_s$ を近似的に求める。 $$ s = f(x,y) = xy $$ なので $f(x\pm e_x, y\…

DV-X$\alpha$法はオリビンの色を説明できるか?

カンラン石 (Mg,Fe)$_2$SiO$_4$ は地球の地殻やマントルを構成する主要な鉱物だ(ちなみに地球科学ではカンラン石は鉱物名ではなく固溶体名だと習う)。カンラン石は Mg$_{90}$Fe$_{10}$ 付近の化学組成の時だけオリーブ色になる。この色のカンラン石はオリビ…